知っておきたい法律

クーリングオフ期間が過ぎた場合、解約するために知っておかなくてはならない法律があります。それが消費者契約法です。
ここでは第1条から第8条の解説をしていきたいと思います。

第一章総則
(目的)
第一条 この法律は、消費者と事業者との間の情報の質及び量並びに交渉力の格差にかんがみ、事業者の一定の行為により消費者が誤認し、または困惑した場合について契約の申込み又はその承諾の意思表示を取り消すことができることとするとともに、事業者の損害賠償の責任を免除する条項その他の消費者の利益を不当に害することとなる条項の全部又は一部を無効とするほか、消費者の被害の発生または拡大を防止するため適格消費者団体が事業者等に対し差止請求をすることができることとすることにより、消費者の利益の擁護を図り、もって国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。

第一条からちょっと長いですね(笑)第一条は目的となっています。個人と事業者があまりにも力の差があるから消費者を保護し、事業者との差を少なくしようという目的が書かれています。

(定義)

第二条  この法律において「消費者」とは、個人(事業として又は事業のために契約の当事者となる場合におけるものを除く)をいう。

第二条ニ項 この法律において「事業者」とは、法人その他の団体及び事業としてまたは事業のために契約の当事者となる場合における個人を言う。

第二条三項 この法律において「消費者契約」とは、消費者と事業者との間で締結される契約をいう。

第二条四項 この法律において「適格消費者団体」とは、不特定かつ多数の消費者の利益のためにこの法律の規定による差止請求権を行使するのに必要な適格性を有する法人であるとして第一三条の定めるところにより内閣総理大臣の認定を受けたものをいう。

解説:第二条では定義について規定しています。ここで大事なのは「事業としてまたは事業のために契約の当事者となる場合における個人」も事業者として扱われるということです。

第三条 事業者は、消費者契約の条項を定めるに当たっては、消費者の権利義務その他の消費者契約の内容が消費者にとって明確かつ平易なものになるよう配慮するとともに、消費者契約の締結について勧誘をするに際しては、消費者の理解を深めるために、消費者の権利義務その他の消費者契約の内容についての必要な情報を提供するよう努めなければならない。

第三条ニ項 消費者は、消費者契約を締結するに際しては、事業者から提供された情報を活用し、消費者の権利義務その他の消費者契約の内容について理解するよう努めるものとする。

解説:第三条では、事業者は条項を定める場合は消費者に対してわかりやすいものとし、勧誘する場合は消費者が理解しやすく説明するよう努めるというようなことがかいてあります。
逆に消費者は、事業者から提供された情報を活用して理解するように努めなさいということが書いてあります。

第二章

第四条 消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、当該消費者に対して次の各号に挙げる行為をしたことにより当該各号に定める誤認をし、それによって当該消費者契約の申し込みまたはその承諾の意思表示をした時は、これを取り消すことができる。
第四条1項 1、重要事項について事実と異なることを告げること。当該告げられた内容が事実であるとの誤認。

解説:いわゆる不実告知というやつです。事実と違ったことを告げられ、告げられたことを信じた場合取り消しができます。

第四条1項 2、物品、権利、役務その他の当該消費者契約の目的となるものに関し、将来におけるその価額、将来において当該消費者が受け取るべき金額その他の将来における変動が不確実な事項につき断定的判断を提供すること。当該提供された断定的判断の内容が確実であるとの誤認。

解説:不確実な内容なのに、それを確実であるかのように言ってはなりませんということが書いてあります。

第四条二項 消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘するに際し、当該消費者に対してある重要事項又は当該重要事項に関連する事項について当該消費者の利益となる旨を告げ、かつ、当該重要事項について当該消費者の不利益となる事実(当該告知により当該事実が存在しないと消費者が通常考えるべきものに限る)を故意に告げなかったことにより、当該事実が存在しないと誤認をし、それによって当該消費者契約の申し込みまたはその承諾の意思表示をした時は、これを取り消すことができる。ただし、当事業者が当該消費者に対し当該事実を告げようとしたにもかかわらず、当該消費者がこれを拒んだ時は、この限りではない。

解説:消費者にとって不利益な事実を事業者が告げなかった場合は取り消しができます。ただし、消費者が聞きたくないと拒んだ場合は取り消しはできません。

第四条三項 消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、当該消費者に対して次に掲げる行為をしたことにより困惑し、それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表をしたときは、これを取り消すことができる。

第四条三項 1、当該事業者に対し、当該消費者がその住居又はその業務を行っている場所から退去すべき意思を示したにもかかわらず、それらの場所から退去しないこと。

第四条三項 2、当該消費者が当該消費者契約の締結について勧誘をしている場所から当該消費者が退去する旨の意思を示したにもかかわらずそれらの場所から退去しないこと。

解説:消費者の家などで事業者が勧誘する場合、帰ってくれと言ったが帰ってくれないような場合は取り消しができる。
また、事業者の会社などで勧誘される場合は、帰らせてくれと言ったが帰らせてくれないといった場合は取り消しができる。
長くなってしまったので飛ばしまして第7条を見ていきます。

第七条 第四条一項から第三項までの規定による取消権は、追認することができる時から6箇月行わないときは、時効によって消滅する
当該消費者契約の締結の時から五年を経過した時も、同様とする。

解説:追認することができる時からというのは、たとえば、騙されたと気づいたときです。不退去や退去妨害などの場合は、その段階から6か月間であれば取り消しができます。気づいたかどうか関係なく契約から五年経てば時効となります。